活用方法
相続などで不動産を取得したものの、実際に住むこともなく、かと言って手放すこともできず持ち続ける人が多くいます。
その結果、現在日本が抱える問題の一つ「空き家」になっています。
日本の空き家数は増え続けており、平成30年の調査では846万戸以上となりました。
「空き家問題」が深刻な社会問題になっている現在、テレビや新聞などで目にした方もいれば、
現実に保有している方もいるでしょう。
住む予定もなく、活用らしい活用もできていない
こういった状況に該当する住宅を「空き家」と呼びます。
空き家問題は決して特別なことではなく、多くの人にとって「いつかは直面する現実」です。
相続や贈与などで取得した住居を「あとでいいや」「いつか活用方法を見つけよう」などと放置しておくと、さまざまなトラブルに巻き込まれたり、保有する維持費も馬鹿にならない為、出費がかさんで家計や人生設計に大きなマイナスダメージを生む可能性もあります。
売却するのか、賃貸にするのか、はたまた他の活用をするのか。
様々な内容を視野に入れながら、切実な空き家問題をどう解決するのかを考えていくことにしましょう。
1. 空き家を活用する方法
A 修繕して賃貸に出す
B シェアハウスとして活用
C 民泊を経営する
D 解体して土地利用を図る
E 単純売却する
建物が比較的新しく、立地条件なども恵まれているなら、賃貸物件にして家賃収入を得るという活用方法があります。
ただしこれらの物件には該当せず、築年数が経過して老朽化しているような物件や劣化が激しい物件、現在の耐震基準に沿わない物件は修繕・リフォームが必要になります。
修繕やリフォーム後であれば賃貸に活用が見出されますが当然、費用も掛かってきます。
うまくいけば家賃収入を得ることも可能ですし、空き家をそのまま放置すると毎年掛かる維持費を家賃収入が生み出してくれるのであれば、維持費で悩む必要はなくなります。
▶メリット
空き家を人に貸すと収益物件となり、毎月の家賃収入から固定資産税や修繕費を捻出することができるので、一番理想的な活用方法と言えると思います。
当然、貸すということは、壁紙の貼り換えやクリーニング、最低限のリフォームや家賃回収などの手間は掛かりますが、家賃収入が入るので保有し続ける事での大規模な修繕やリノベーションが必要になると考えればコストの面での負担は少ないと考えられます。
言うならば、「最小の投資で、リスクが少ない」という点が魅力です。
▶デメリット
最大のデメリットは、借り手が現れるかどうかにかかってきます。
賃貸の需要がある程度見込める駅近くなら良いですが、郊外や地方では人口減少などで賃貸需要そのものが少ないと考えられるので探すのも一苦労するでしょう。
郊外や地方で、最初の入居者が運よく見つかったとしても、退居するようになった場合は次の借り手が見つかるまでは家賃収入がゼロになります。
また駅近くなどの好立地でも、需要は高いものの、それに比例してライバルも多いので安心はできません。
なぜなら、大規模な修繕やリノベーションをせずにコスト削減ができたとしても、同じような家賃でありながらより魅力的な物件(築年数が浅い、最新の設備がある)が近隣にあれば人はそちらに流れます。
そうなると想定していた家賃設定より下げざるを得ないかもしれません。
また賃貸経営がうまくいったとしても、建物は必ず経年劣化していくので、退去しないように適応に修繕・リフォームしなければなりません。
「外観が汚い」「設備が壊れた」「雨漏りがする」といったような状況では、入居が決まってもすぐに退居されてしまいます。よって適応に修繕・リフォームが必要になってきます。
シェアハウスを自分で経営するか、もしくは外部に委託するのかで活用方法が変わってきます。
「本業があり、経営まで手が回らない」「遠方にあるから実質的に管理できない」などは外部委託を検討するしかないでしょう。
また、借り手を募集する場合には、ターゲットの選定が必須です。どういう人に住んでほしいのか、どういうコンセプトにするのかを明確にし、方向性を出します。
人気物件のコンセプトや内装、入居者のリアルな声などを知る方が参考になるので、シェアハウスを専門に扱うポータルサイトで情報収集をするのが便利です。きっとリフォームや運営の参考にもなるでしょう。
▶ メリット
戸建てであれば、人気の「シェアハウス」として賃貸するのがよいでしょう。
最大のメリットは、通常のアパート経営よりも安定した家賃収入と高い収益が期待できると思います。
理由は、シェアハウスは「一軒の家を数人でシェアする」ものなので、同じ面積の建物でも一般のアパートよりも入居人数が多くなるからです。
たとえば、1部屋を1人に月8万円で貸した場合は、単純に月8万円の収益となりますが、4LDKの建物に1人月3万円で4人にシェアした場合は3万円×4名の12万円になるので1部屋を貸すだけより月4万円も収益が増える計算です。
また、通常の賃貸であれば退居が発生した場合に於いては、次の入居者が借りるまでは家賃収入が途絶えてしまいますが、シェアハウスでは、誰かが退居してもほかの入居者から家賃収入が入ってくるため、全員が退居しない限りは収入がゼロになることはありません。
リスクが一番少ないという部分では、シェアハウスがたいへん人気なことがわかります。
▶ デメリット
多くの入居者がいるということは、入居者同士のトラブルも多くなることが容易に想像できるので、それだけ管理業務が増えるということになります。ようはクレーム発生が頻繁に起こるということです。
一般のアパート・マンションでさえ住人同士のいざこざが発生するのですから、毎日顔を合わすシェアハウスならなおのこと。
シェアハウスの利用者・入居者の多くが若い単身者や外国人である点も気になります。
ファミリー世帯のように長期入居が期待できないため、安定的かつ継続的な経営を考えるとこの内容が一番のデメリットと言わざるを得ないでしょう。
通常の戸建ならば、そのままシェアハウスに転用するのは実用的に欠け、コンセプトにあったリノベーション・家電や家具の設備が必要になります。
そのぶんのコスト当然発生しますので「投資は少なくしたい」と考える場合には不向きです。
C 民泊を経営する方法
空き家の活用法として今、注目されているのが「民泊」です。
ですが簡単に民泊経営を行えると思う方もいると思いますが、民泊には民泊の法律(ルール)覚えておかなければいけない事があります。
「住宅宿泊事業法」という法律です。
どういう内容かというと、昨今の注目度から急速に広まる民泊に於いて、安全性・衛生面の確保、または近隣トラブルや宿泊ニーズの多様化といった状況に対応するため、一定のルールを作りより健全な民泊サービスを確立させる為に、個人でも簡単な手続で、民泊を合法的におこなうことを認めた法律です。
ただ単にこれだけで言うと普通の事のように感じるかもしれませんが、この法律の中で注意しなければいけない点があります。
それは、「民泊として貸す最大稼働日数が180日」と規定されている点です。
ですから注目されているとはいえ、こういった点から一般的な賃貸に比べると安定経営が難しいビジネスと言わざるを得ないと思います。
民泊は所有しているマンションや戸建を宿泊施設として一般旅行者や外国人旅行者などに提供し、その対価を得るビジネスです。
所有している物件を貸し出すだけで、あとは管理会社が民泊運営業務の一切を代行してくれるので、民泊に活用する一番のメリットは、管理が楽な点です。
また同じ稼働日数なら賃貸料よりも宿泊料のほうが高額なことも注目されている理由です
同じ稼働日数なら賃貸料よりも宿泊料のほうが高額ですが、民泊は一般の賃貸と比べて「非常にリスクが高い」といえます。
民泊は一般旅行者よりターゲットは外国人旅行者になる傾向があります。
また外国人旅行者の訪日が増加傾向にある場合は良いですが、円高や景気後退などで日本自体の重要がなくなれば需要は少なくなってきます。
例えば、東京オリンピックなどのイベントがある場合は訪日が増加しますが、ビックイベントが無い場合ではオリンピック時期に比べ需要が減るということです。
また、宿泊ビジネスでは、閑散期にはどうしても利用者の数が減少します。稼働すれば宿泊料が高い民泊ですが、「宿泊がなければ収入がゼロになる」のは賃貸と変わりません。
また需要等以上にリスクが高いのが民泊特有のトラブルです。
宿泊客が室内を汚したりもそうですが、中には家具や家電を壊したまま連絡が取れない場合もあれば、外国人旅行者がそのまま帰国してしまうといったケースが多くあげられます。ニュースなどで報道されているので、ご存知の方も多いでしょう。
また、貸し出した部屋が犯罪などに利用されるリスクがないとも言えません。
建物が老朽化または劣化し、修繕やリフォームをしようにも多額のコストが掛かってしまうという場合は、建物を解体し、更地にして土地活用を図るのがベストです。
土地を利用する方法はいつくかあります。
ただし、立地、需要等により現実的かどうかは考える必要があります。
土地利用の方法とメリット・デメリットを一覧にしてみました。
上記までの土地利用と比べて費用がかからず、リスクも小さいのはやはり不動産の売却です。
現在はインターネットの普及から簡単な申し込みをするだけで、査定もでき、どういう状態で売却をできるのかがわかりやすくなっています。
また、一般の方への売却もあれば、不動産業者などの買取もあるので、売却時期、売買金額を一緒になって進める事ができます。
当社では、先ず状況を整理し、第三者による査定額を提示し、販売方法に於いて明確にしていきます。
また周辺立地での成約事例、販売期間の設定などを元に金額を算出し、一般に向け売却を開始いたします。
中には、スピーディーな業者買取を無理やり行うような手荒な不動産会社もあります。
しかしながら当社ではそのような強引な手法は取りませんし、無碍な訪問等もいたしません。
売却する事で、一番大事なことは、担当の善し悪しもありますが理想に近い不動産会社を見つけられるかが大事と思います。
まとめ
上手に活用すれば、収入があり、維持費という部分では大変助かるものです。
また状況次第では、放置したままでは厄介なものが社会貢献になるのもあります。
それを上手に活用できるかどうかは、正しい理解と的確な情報収集です。
単純に良い思いができるだろうではなく、必ず物事にはメリットやデメリットがあるので
具体的な活用方法と成功事例をきちんと把握することや、国や自治体が取り組む空き家活用事業や補助金制度について情報を整理しておくことが大切です。
その意味では、ここにご紹介した内容だけでも空き家活用を考える方にとってかなり有用な情報源となるはずですし、個別なお問い合わせも承っていますのでお気軽にご相談ください。
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